10/28(金)から30(日)の3日間、満を持して4年ぶりに開催される「東京味わいフェスタ」。
今年は丸の内・有楽町・日比谷・豊洲の4エリアに選りすぐりの「東京産食材」が大集結します!
今回はこの「丸の内エリア」に初出展する「東京農村」代表の中村克之さんからお聞きしたお話を元に、「東京味わいフェスタ」の見どころや楽しみ方をご紹介します。

東京農業の情報発信拠点「東京農村」

中村克之さんは、国分寺市内で「東京うど」をはじめ約30品目の野菜栽培と、イチゴやトマトの高設栽培を行う農家。
2018年に赤坂に自らオーナーとなりオープンした「東京農村※」は、東京産農産物を提供する飲食店、シェアキッチン、シェアオフィスを運営、農業にかかわる人たちの交流の場や、東京農業の認知度向上や新たな販路の開拓、ビジネスの創出のハブとして、東京農業の情報発信拠点となっています。
※東京農村についての詳細はこちら(https://tokyogrown.jp/topics/?id=1196303

国分寺市内にある中村農園のイチゴのビニールハウスにて。中村さんは、2009 年にIT企業勤務のサラリーマンから脱サラして就農。
IPM(総合的病害虫管理)、農薬や化学肥料だけに頼らない植物病害虫防除、炭酸ガス使用による光合成促進など、最新技術も積極的に取り入れています。

東京味わいフェスタの楽しみ方

そんな中村さん率いる「東京農村」が、今回「東京味わいフェスタ」で出展する「丸の内エリア」は、とりわけ「東京産食材」の魅力をふんだんに味わえるエリア。
「東京産野菜」の生産者である中村さんからお聞きした「出展者側からの意気込みやおすすめ」を元に、イベントの楽しみ方を5つにまとめてみました。
週末、お出かけを予定していた方も、初めて知った方も、ぜひご一読の上、より充実した実りの秋、グルメの秋にふさわしいこの「東京味わいフェスタ」をご堪能ください。

①見る、知る
「東京」というと都会のイメージが強く、農地があることを知らない方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、東京の農業の歴史は古く、実は江戸時代から300年以上続く農地が今も残る街なのです。

商売繁盛の縁起物として、新嘗祭をはじめ、五穀豊穣を祝う祭りやイベントに奉納されてきた「野菜の宝船」。
江戸時代に神田市場の若い衆が、ダイコンやニンジンなどで宝船を作り、店先に飾って新年を祝ったのが始まりだそう。
▼(野菜の宝船の詳細はこちらからどうぞ。https://tokyogrown.jp/topics/?id=1348904

その東京の農業の代表的なイベントとして、毎年11月2日の“都市農業の日”に明治神宮で開催されているのが「東京都農業祭」ですが、51回目の開催となる今年は、明治神宮から場所を移して、「東京味わいフェスタ」会場で開催されることになりました。
この「農業祭」の象徴でもある「野菜の宝船」が、「味わいフェスタ」会場内の2箇所(丸の内エリア/JA東京スマイル主催、豊洲エリア/JA東京あおば主催)にお目見えします。
農家さんたちの手によって何種類もの野菜が美しく積み上げられ船を象った宝船は圧巻。百聞は一見に如かず、五穀豊穣、商売繁盛を願って、撮影スポットとしてもおたのしみください。
「東京味わいフェスタ」は、会場を巡るだけで、東京中のさまざまな「東京産食材」に出会うことができるかつてない規模のイベントです。同じ東京でも地域によって、農家や生産者によって、食材や農作物にも違いや特徴があります。
まずは、会場にお越しいただくだけでも、その種類や特徴などを見たり知ったりするところから、東京の「農」を楽しんでいただけると思います。

②買う、味わう
「東京味わいフェスタ」では、「東京産食材」の展示販売だけではなく、人気レストランや有名シェフによる旬の「東京産食材」のスペシャルメニューや、「東京産食材」を使ったフードメニューを提供する人気店のキッチンカーが並びます。
おいしくアレンジされた「東京産食材」の味比べができるのも、このイベントの魅力の1つではないでしょうか。お料理が好きな方、飲食店の方にとっては、「食材」の活かし方やおいしい食べ方のヒントが見つかるチャンスです。
ちなみに「東京農村」では、イベント当日はフードマイレージの軽減実験として、東京都内の協力農家の朝どれ野菜を早朝にチャーター便で集荷し、会場まで直接輸送したものを即売。都内各地の農と食の連携プロジェクト商品も店頭に並びます。
鮮度の高い朝どれ野菜の格別な味わいと、農と食との連携商品をぜひ、ご賞味ください。

③出会う
「東京農村」のブースでは、日替わりで生産者(農家)が店頭に立っています。「野菜について知りたい、おいしい食べ方を教えて欲しい」「自分のお店でも東京の食材を使いたいけれど、仕入れ方がわからない」「情報交換がしたい」など、生産者に聞いてみたいことがある方、つながりたい方は、ぜひイベントにお越しください。
生産者との出会いや対話も、イベントならではの楽しみです。新しい何かを始めるきっかけになるかもしれません。

④体験する
今回は、体験イベントも充実しています。
たとえば、お子様のいらっしゃるファミリーにおすすめなのが「プチ収穫体験」。有楽町エリアでは、東京国際フォーラム地上広場に、農家さんたちがこの日に合わせて育てあげた「やさい畑」が出現します(JA東京青壮年組織協議会)。
スーパーで並んでいる野菜しかみたことがないお子さんには、実際どんなふうに野菜が育っているのか土に触れて体感するとともに、自分で収穫することの喜びを体験していただけます。
(要予約。詳細はこちら:https://tokyoyasaibatake.peatix.com/view

また、丸の内エリアで行われる「多肉植物の寄せ植えワークショップ」では、人気急上昇中の「農業男子※」が日替わりで講師を努めます。(この農業男子のうちの1人が寄せ植えで使う植物の生産者)。生産者から直接、育て方や寄せ植えのコツを教えていただける、嬉しいワークショップ。
「多肉植物」は育て方も簡単。作った寄せ植えはお持ち帰りいただけ、初めての方にもおすすめです(参加人数:各日60名合計180名まで。予約不要)
※農業男子について詳細はこちら(https://www.tokyo-ja.or.jp/agriboy-senkyo/

⑤始める
今回のイベントでは、先述の宝船で使用した野菜をフードバンクへ寄付したり、東京フードドライブによるSDGsに関する取り組みも行なっています。
なにより、地域の旬の野菜を日々の食卓に取り入れることは、フードマイレージも少なく、地産地消や持続可能な農業生産、地域の生産者の支援につながり、SDGsにも寄与します。
このイベントが、環境保全や社会へ配慮したエシカル消費や、消費者としてできることを始める、きっかけになれば嬉しいです。

編集部のおすすめ番外編:野菜マニアにおすすめ!「深掘りする」楽しみ方

「東京味わいフェスタ」では、番外編として野菜マニアのかたや、農作物についてもっと深掘りしたい、探求したい方へおすすめの「深掘りする」という楽しみ方もあります。
ご興味のある方は、ぜひ、お見逃しなく足をお運びください。そして、東京の「農産物」のファンになって、「東京の農業」を応援してください。
よろしくお願いいたします!

①「東京都農業祭品評会」(有楽町エリア:東京国際フォーラム」地上広場)
この「東京都農業祭品評会」は、毎年「農業祭」に合わせて開催され、今年で51回目を迎えます。
「品評会」は、都内の農家さんたちにとっては重要な1日で、農産物の価値向上を目指し、都内の生産者さんたちがこの日に合わせて、野菜、果物、花き、畜産など丹誠込めて育てた自慢の農産物を出品。品目ごとに野菜が育ったままの姿で会場に並び、その品質が競われます。
まさに農作物のオリンピックです。農家さんたちの日々のたゆまぬ努力の結晶としての「農作物」を、いつもとは違った視点でご鑑賞いただける貴重な機会です。

②「東京都エコ農産物」(豊洲エリア)
東京都では平成25年より、安全・安心な農産物を消費者に届けるとともに環境に負荷をかけない農業を推進するため、「東京都エコ農産物認証制度」を開始しました。
「東京都エコ農産物」とは、基本的には土づくりの技術や化学合成農薬と化学肥料削減の技術を導入し、都内の通常の栽培における化学合成農薬と化学肥料の使用実態を調査して決めた慣行使用基準(※)から、化学合成農薬と化学肥料を削減して作られる農産物です。この認証を受けた「東京都エコ農産物」には、目印としてシールが貼られています。
豊洲エリアに詳しい内容をお伝えするブースもあります。より安心安全な農作物をお求めの方、ご興味のある方はぜひ、お立ち寄りください。
※東京都エコ農産物認証制度」のホームページはこちら
https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/norin/syoku/econosanbutu/econosanbutu.htm

③「江戸東京野菜」(丸の内エリア)
「江戸東京野菜」とは、種苗の大半が自家採種または近隣の種苗商により確保されていた江戸から昭和中期(40年代)までのいわゆる固定種の野菜、または在来の栽培法等に由来する野菜のこと。
最近ではその知名度も高くなり、取り扱う直売所や飲食店も増えてきました。
丸の内エリアの「江戸東京野菜」ブースでは、展示だけではなく販売もあるそうです。この野菜について、知りたかった、味わってみたかった方には、必見のブースです。
※東京グロウンの「江戸東京野菜」についての紹介記事はこちら
https://tokyogrown.jp/product/edotokyo/

「TOKYO GROWN」編集部

小林 未央/MIO KOBAYASHI

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