「東京味わいフェスタ 2023」にて、玄関口となる「丸の内会場」で展示された『東京野菜宝船』。
色とりどりの新鮮な東京野菜で芸術的に組上げられた宝船は、多くの来場者の皆様にご覧いただき、視覚的に楽しみながら、東京農業の存在とその農作物の持つ魅力に関心を持っていただけました。
この『東京野菜宝船』は、いったいどのようにして制作されるのでしょうか。準備段階から組上げまでの工程をレポートします。

今年、『東京野菜宝船』の制作を担当されたのは、JA東京みなみ管内の日野地区・七生地区・多摩地区・稲城地区の青壮年部の皆さんです。
宝船の制作担当になると、生産者の皆さんは東京味わいフェスタの開催日に合わせて、野菜・果実・花卉などの播種に取りかかり、収穫後は野菜に宝船用のお化粧(下準備)を施し、宝船の組上げまでを行います。
今年は、これまで経験のない真夏日が続き、秋野菜や果実などに発芽不良や害虫による影響が出て、例年以上に苦労されたそうです。

お披露目(開催日)の2日前[下準備]

東京味わいフェスタ開催の2日前になると、JA東京みなみ管内4地区それぞれが担当する農作物のお化粧と出荷の積み込み作業が行われます。
今年の『東京野菜宝船』用に準備された野菜・果実・花卉は、
ネギ、ハクサイ、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、紫カリフラワー、ダイコン、赤ダイコン、ラデッシュ、聖護院カブ、カブ、赤カブ、コマツナ、ゴボウ、ニンジン、トウガン、カボチャ、稲穂、ズイキ、ナシ、ミカン、獅子ユズ、リンゴ、ハボタン、パンジー、ビオラ
の、26品目です。

今回は、稲城地区の現場を取材しました。



『東京野菜宝船』の下準備作業を行う、稲城地区の青壮年部の方々。左から、馬場さん、嘉山さん、田中さん(田中さんは青壮年部長)です。

JA東京みなみ稲城支店の駐車場で青壮年部の方々とJA職員による下準備が始まりました。
稲城地区の皆さんが担当する農作物は、「ブロッコリー」「ハクサイ」「ナシ」「ミカン」の4種類です。

「ブロッコリー」は、大きさや形を揃え外葉の部分を取り、茎の部分を長くします。長くするのは、茎の部分に紐をくくり付けて船の本体と結ぶためだったり、組上げの時に野菜同士を固定するのに役立ちます。

「ハクサイ」も、大きさや形ごとに揃えますが、ここでお化粧が施されます。
宝船の土台となる重要な箇所に積まれる「ハクサイ」は、お尻の株の部分を外向きにして積むため、見学者の目に触れます。
いわゆる顔に当たる部分ですので、包丁やカッターを使い、擬宝珠状に見栄え良く揃えていきます。
切り口をきれいにする面取り作業に、かなりの時間を費やしていました。

「ナシ」「ミカン」は、JA東京みなみ稲城支店の保存用冷蔵庫から、既に9月下旬に収穫して保存していたものを取り出し、一つずつチェックをして、やはり形や大きさごとに揃えます。

一通り下準備作業が終わると、トラックに積み込み、この日は終了しました。

お披露目(開催日)1日前[組上げ作業]

午前9時過ぎ。東京味わいフェスタ丸の内会場の行幸通りに、JA東京みなみのトラックが次々と到着しました。
前日に各地区で準備された宝船用の農作物を載せています。

朝礼が開かれ、各地区の生産者の方々とJA東京みなみの職員との間で、組上げに際しての最終確認が行われました。

農作物の荷下ろしが終わると、いよいよ各地区が協力して宝船を組み上げていきます。
まずは、土台となる「ハクサイ」から。お化粧済みのお尻を見せるようにして木製の宝船の上に綺麗に並べていきます。
2段目も「ハクサイ」。バランスを安定させるために、1段目との間に木の板を挟み込みます。

「ハクサイ」を宝船に並べ始める作業と同時進行で、JA東京みなみの宝船に欠かせない「ネギの帆づくり」が始まりました。
同じ太さ・形をした「ネギ」を揃え、隙間が無いように1本ずつビニール紐で編み込み、帆の形をつくっていきます。

「ハクサイ」で土台ができると、その上に「キャベツ」「カリフラワー」を積み重ねていき、野菜の間には色鮮やかな「ダイコン」や「カブ」を差し込んでいきます。
舳先には「ニンジン」を取り付けます。

「ネギ」で編み上げた帆を船の中央に取り付け、帆のすぐ下には立派な「トウガン」が置かれました。

『東京野菜宝船 2023』完成!

「カキ」「ナシ」「コマツナ」を船の上部に飾り、「稲穂」を船首と帆に取り付けます。
組上げ作業中は、行幸通りを歩く近隣オフィスの会社員や外国からの観光客、修学旅行で皇居に向かう中学生・高校生の注目を集め、「いったいこれは何か?」といった質問にスタッフが答える場面も度々ありました。
帆に「獅子ユズ」と扇が取り付けられると、約5時間もの時間をかけて、いよいよ『東京野菜宝船』が完成しました!
ハロウィンにちなんで一緒に飾られた「カボチャ」も嬉しそうにしています。

※ 宝船で使用された野菜や果実の行方が気になるところですが、展示翌日(10月28日)の午後には解体され、その日のうちに「フードバンク多摩」に全量が提供されました。

東京グロウン/TOKYO GROWN

BACKNUMBER

東京味わいフェスタ2023(TASTE of TOKYO)

RELATED ARTICLERELATED ARTICLE

トピックス

【第11回】ヤギのナチュラルチーズで新規就農! 東京の山地農業にも勝算あり「養沢ヤギ牧場」

トピックス

新春特別寄稿『都市に農地を創るときが来た』

トピックス

陽のあたる縁側 すぎのこ農園

トピックス

【第10回】目黒で農地を残すには?コミュニティの拠点として都市農地を守る  目黒区「八雲のはたけ」

トピックス

【第9回】小松菜400連作!「全量残さず出荷、それこそが一番のエコだと思う」 江戸川区 小原農園

トピックス

【第8回】落ち葉を重ねて数百年 『 武蔵野の黒ボク土』をコミュニティで掘り下げる! 三鷹市 冨澤ファーム

トピックス

【第7回】女性が主体となれる農業経営の仕組みづくり( 株式会社となったネイバーズファームの狙いと可能性)

トピックス

【第6回】馬と羊を飼い、穀物を育てる理想の有機農家をめざす

トピックス

【第5回】「多摩の酪農発祥の地」で、はぐくまれた有機農家たち。

トピックス

【第4回】肥料でも農薬でもない新しい資材「バイオスティミュラント」とは?

ページトップへ