JR東京駅構内にある「はせがわ酒店 グランスタ東京店」

北井:皆さん、こんにちは!日本のお酒大好き!関西出身の、きき酒師の漫才師『にほんしゅ』です!
みなさんは、東京で日本酒が造られていることをご存知ですか?
これから、東京の日本酒をテーマにちょっと気になる面白い話をシリーズでお届けします!

あさやん:よろしくお願いします!記念すべき第1回目のテーマは?

北井:「東京駅で醸造される日本酒」!です。

あさやん:そ、そ、そ、そ、そ、そんなアホな!と、と、と、東京駅で醸造される日本酒!?

北井:慌てすぎや!こないだ一緒に飲んだからあさやんも知ってるやろ!

はせがわ酒店の店舗に併設される、東京駅酒造場。

あさやん:でも初めて知った時は驚いたよなぁ。東京駅のエキナカの商業施設「グランスタ東京」の中でお米が蒸されて、麹が造られて、ポコポコ発酵して、搾られて、日本酒として誕生!

北井:うんうん。ほんまに驚いた。しかもその仕掛け人は全国の日本酒を販売する有名酒販店の「はせがわ酒店」さん!お酒を売ってきた酒販店がなぜ東京駅で日本酒を醸造することになったのか!

あさやん:それは今も深い謎のままです。

北井:そんなことないって!はせがわ酒店さんに日本酒造りに至る経緯などを聞いてきました!

あさやん:なんで東京駅で日本酒を造ろうと思ったのかがまずは気になるよな。

特注の発酵タンクなどがずらり。中を覗けるようになっている。(写真提供:株式会社はせがわ酒店)

【はせがわ酒店 広報:後藤さん】
「もともと東京駅で日本酒を造ろうと思ってスタートした企画ではなかったのですが、東京駅に新しい店舗をオープンするにあたり、お酒を販売する店舗としてだけではなく、日本酒などの日本の発酵文化について広くお客様に知っていただき、身近に感じて頂けるような体験型の店舗にできればな、と考えていました。」

あさやん:日本中、世界中の人がたくさん往来する東京駅ならではの利点を活かしてるってことか。酒造り風景に興味を持った人は日本酒好きになったり酒蔵に行きたくなったりするよな!

北井:そうそう!そういう思いからスタートしたんやって!

あさやん:なるほどな!もうひとつの疑問は「なぜ酒販店が酒造りをするのか」

北井:お酒を売る側が造る側にもなるって異例なことやもんな。

あさやん:わかった!仕入れて売るより自分のところで造って売った方が大儲けできるってことやな!

北井:盛大な勘違いしとるな!

【はせがわ酒店 広報:後藤さん】
「酒造りを知ってもらうといういう理由以外にも、将来的にはマーケットにいちばん近い場所で様々な酒質の日本酒を試験醸造することで消費者の嗜好やニーズをいち早くキャッチし、酒販店として全国の蔵元の商品開発に役立つようなフィードバックができるようにしていきたいという目的があります。」

あさやん:かっこええなぁ!

酒販店と東京駅酒造場に併設されたBARもあり、全国の日本酒や東京駅酒造場で醸造されたどぶろくや日本酒を楽しめる(BARでの酒類提供に関する営業状況は店舗までお問い合わせください)。

2021年8月3日。ついに誕生した東京駅で醸造された日本酒!そのお味は?

いざ、きき酒!そのお味は?

あさやん:経緯はよくわかった!話はもう十分やから早く飲ませてくれ!酒もってこい!

北井:おい、乱暴者か!確かに実際の味が気になるけど。こんな奴に味がわかるんかいな。

あさやん:どれどれ?ふむふむ。香りは爽やかでフルーティ。香りがより分かるワイングラスで楽しみたくなるタイプ。味わいは日本酒らしい甘味・旨味があってなめらか。後半はスッキリとドライなキレがありますね。総じて繊細な味わいで丁寧に醸されたのが伝わってまいります。大変美味しゅうございました。

北井:テイスティングコメントめちゃくちゃ上手いんかい!上品なお酒飲んで言葉遣いまで上品になってる。確かに繊細な甘みや後味のキレがいいね!

あさやん:生ハムメロンや生ハム桃、カルパッチョやチーズのピザなんかと相性が良さそうです。

桃の甘味と生ハムの旨味・塩味と相性バッチリ。

北井:素敵なペアリングまで提案してる!第1弾でこれだけの味わいとなると第2弾の仕込みも楽しみやな!今年(2021年)中にもうひと仕込みはしたいと思ってるらしいわ。

あさやん:楽しみやなぁ。1本目の仕込みはすごい緊張したやろうな。

製造風景。東京駅を行き来する人々の目の前で丁寧に醸造された日本酒。「袋吊り」という最も手のかかる手法でしぼられている。(写真提供:株式会社はせがわ酒店)

北井:やっぱり大変やったらしいで。醸造責任者の髙木さんにお話し聞いてきたわ。

【はせがわ酒店 醸造責任者:髙木さん】
「今回日本酒を製造するにあたって一番大変だったのはこのしぼりの作業でした。スペースが限られているため機械を使ってしぼりができないのですべて手作業で行う『袋吊り』でしぼりを行いました。『袋吊り』はもろみを入れた酒袋を吊るし重力で落ちる雫(日本酒)を集めます。高級酒や鑑評会用の出品酒に主に用いられる方法で、お酒をしぼる作業の中で一番労力がかかり、とれる量も少ないのですが、その分綺麗なお酒に仕上がります。」

あさやん:すごいなぁ。その苦労の甲斐あってこそ、この繊細な美味しさになるわけやな!第2弾、第3弾の仕込みも期待しているので精一杯酒造りに励んでいただきたい!

北井:偉そうやな!お前上司か。でも期待せずにはいられません!東京駅で醸造される日本酒はこれからも注目ですよ〜!

販売は基本的にはグランスタ東京店のみ。少量仕込みなので数量限定ですが、近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。

きき酒師の漫才師
にほんしゅ(あさやん・北井一彰)

あさやん(左)
・きき酒師・国際きき酒師

北井一彰(右)
・きき酒師・国際きき酒師・日本酒学講師・焼酎きき酒師

【プロフィール詳細】
コンビ揃って「きき酒師」の資格を取得した、世界で唯一の漫才師。

《食卓には呑む日本酒。話題には漫才師にほんしゅ。》を目標に、オンラインも含めて全国各地の日本酒イベントや蔵開きに出演している他、初心者向けの日本酒講座「日本酒ナビゲーター認定講座」を定期的に開催しており、2021年8月現在では800名以上の生徒を誕生させ、きき酒師や日本酒ナビゲーターの資格認定団体、NPO法人FBO(料飲専門家団体連合会)から特別功労賞を与えられた。

【にほんしゅの公式サイト】
http://www.nihonshu-sakemanzai.com

きき酒師の漫才師 『にほんしゅ』

あさやん & 北井一彰/ASAYAN & KITAI KAZUAKI

はせがわ酒店東京駅酒造場

電話
03-6420-3409
所在地
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-9-1 JR東日本東京駅構内B1 (グランスタ東京内) ※改札内の店舗の為、ご利用いただく場合、券売機で入場券をお買い求めの上、ご利用ください。 営業時間:7:00-22:00(月-土) 日・連休最終日の祝日 7:00-21:00 定休日:無休 ※現在は、営業時間を変更しております。 詳細は、HPにてご確認ください。
WEBサイト
https://www.hasegawasaketen.com/shop.html#gransta

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東京 醸造探訪記

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