『ウドと菊芋のきんぴら』
ウドのほろ苦さには菊芋の甘みがとても合います。火を通しすぎないように気をつけて、シャキシャキとした食感を残しましょう。
日本原産の野菜で今が旬のウド。独特の歯ごたえと香りがあり、きんぴらや天ぷらにすると美味しい野菜です。江戸時代には栽培が始まっていたとされ、初物を楽しむ江戸っ子には粋な食べ物として親しまれていたといいます。
現在でも東京の特産野菜として知られる東京ウドは、室(ムロ)と呼ばれる地下で育てられるため真っ白な色をしています。太陽の光を浴びて育つ山ウドと比べて、あくが少なく上品な苦味と優しい甘みがあります。
今回は前編・後編に分けて、東京ウドを使った料理です。前編では、皮や細い枝部分をきんぴらに、柔らかい先端の芽の部分を天ぷらにします。後編では茎の部分をサラダにします。
東京ウドは捨てるところがほとんどありません。あくが少なく処理が簡単で毎日の食事にも取り入れやすいので、ぜひ挑戦して食卓に春を呼び込んでみてはいかかでしょうか。
ウドのほろ苦さには菊芋の甘みがとても合います。火を通しすぎないように気をつけて、シャキシャキとした食感を残しましょう。
・ウド 170~180g
(皮と枝分かれしている細い茎部分)
・菊芋 300g
・唐辛子 2本
・食用油 大さじ1
・みりん 大さじ2
・塩 小さじ1/2
・薄口醤油 小さじ1
1.ウドの皮は4~5㎝長さにカットする。
(茎など厚みのある部分は1~2㎜の厚さにスライス)
2.菊芋は1~2㎜厚さにスライスする。
3.フライパンに種をとった唐辛子と食用油を入れ、弱火で熱し、香りがでてきたら強火にしてウドの皮と塩の半量を入れて食用油をなじませる。
4.ウドの皮をフライパンの片側に寄せて、あいた所に菊芋を入れ残りの塩をふり、少し透明感が出てくるまで菊芋を軽く炒める。
5.菊芋とウドの皮を混ぜ合わせ、みりんを加えて1~2分炒める。
6.薄口醤油をまわしかけ、木べらで混ぜながら、水分が少なくなるまで炒めたらできあがり。シャキシャキ感を残すように味見をしながら炒め過ぎないように注意。
ウドをメインに、冷蔵庫に残っている野菜も一緒に天ぷらにしてメインの一品に。
野菜ばかりでちょっぴり物足りないという方は、お好きな魚介類を一緒に揚げてみましょう。私は今回たらの白子を加えてみました。鶏肉や厚切りにしたハムなどでも良いかと思います。
・ウド お好きなだけ
(先端の芽の部分と皮をむいた茎の部分)
・冷蔵庫の残り野菜 お好きなだけ
(今回はさつまいも、パプリカ、ブロッコリー)
・お好みで魚介類など お好きなだけ
(今回はたらの白子を使用)
・サラダ油(揚げ油) 適量
・柑橘類 お好みでレモンなどの柑橘類
〇天ぷら衣の割合
※市販の天ぷら粉をご使用いただいても良いです
・小麦粉 1カップ(200㏄)
・片栗粉 大さじ1
・塩 ひとつまみ(小さじ1/4弱)
・卵 1個
・冷水 150㏄
1.ウドの先端部分は大きければ縦半分にカット、皮をむいた茎の部分は厚め(6~7㎜程度)の斜め切りにする。
2.野菜や魚介類を揚げやすい大きさにカットし、水気があればキッチンペーパーでふき取る。
3.天ぷら衣の小麦粉と片栗粉と塩を軽く混ぜ合わせ、卵と冷水を良く溶いて混ぜたものを加えて、箸でざっくりと混ぜる。
(少しダマがのこっている位でよい)
4.保存袋に分量外の小麦粉を大さじ1程度入れ、野菜を入れて口を締め、良く振って打ち粉をする。
(魚介類は残った粉で打ち粉をする)
5.鍋やフライパンに油を入れて熱し、天ぷら衣を少したらすと浮いてくるようになったら、打ち粉をした食材に衣をつけ、根菜類、その他の野菜類え、魚介類、肉類の順番で揚げていく。
6.皿に盛り、カットした柑橘類を添えてできあがり。
※お好みで、わさび塩や抹茶塩をつけてもおいしくいただけます。
今回の食材は、「 JA東京むさし 小平ファーマーズ・マーケット」で購入しました。
▽小平ファーマーズ・マーケット
料理研究家/千代田区大手町にある「3×3 Lab Future」のキッチンコーディネーター。
様々な国や地域で食べられている料理を作り・コミュニケーションを生み出すことが楽しみであり仕事。
東京産食材や生産者に興味深々。