1.子どもにとっての「苦味」とは?
「苦味」は、毒の存在を知らせるシグナルとされています。腐敗などの危険を知らせるシグナル「酸味」と並んで本能的に避けようとしてしまう味です。毒はなくとも、えぐみや苦味のある野菜を苦手と感じることは自然なことなのですね。
しかし、「苦味」を味わうことによって、食の幅が広がり、ひいては文化に対する興味と繋がり、豊かな人生を送る一助になると思います。
「苦味」も「酸味」と同じように、おいしく食べられるポイントを押さえ、食べる回数を重ねて、慣れる機会をつくっていくことが大切になってきます。
「苦味」を短期間で無理に克服させる必要はありません。食育で一番大切なことは、楽しい経験をすること。味覚の幅を広げ、より食を楽しめるようになるために、時間をかけて「苦味」を受け入れていけるようサポートしましょう。
「苦味」を学ぶ時におすすめする食材は、「旬の青菜」です。旬の時期の青菜は、甘みがぐっと増していて食べやすく、素材そのもののおいしさと栄養価が高まっているので、初めての苦味の食育にはぴったりの食材です。
今回は、春が旬の「江戸東京野菜」の青菜を使った「苦味」の食育レシピをご紹介します。