知識よりおいしい原体験を
小松菜などの青菜は、子どもにとっては青臭さを感じやすいこともあり、好き嫌いが出る食材です。「栄養があるから」などと言っても、食べたくないものは食べたくないのです。
子供には知識よりも「おいしい原体験」が必要です。
食材に触れるワクワク感と調理に参加する楽しさを大人と共感する時間が何よりもの食育です。口に入れなくても、手で触って、香りをかいで、ゆっくりと食べたい気持ちが出てくるのを待ちましょう。
管理栄養士、お野菜料理家のいまむらゆいです。
食育コラム【東京の恵みdeおうち食育】の第2シリーズ、「切って楽しむ東京野菜」の第一弾をお届けします。このシリーズでは、野菜を切ることで発見できる、五感を使った野菜の楽しみ方をご紹介します。
今回ピックアップする野菜は「小松菜」。大人も子どもも楽しみながら、小松菜の魅力を発見していきましょう!
小松菜などの青菜は、子どもにとっては青臭さを感じやすいこともあり、好き嫌いが出る食材です。「栄養があるから」などと言っても、食べたくないものは食べたくないのです。
子供には知識よりも「おいしい原体験」が必要です。
食材に触れるワクワク感と調理に参加する楽しさを大人と共感する時間が何よりもの食育です。口に入れなくても、手で触って、香りをかいで、ゆっくりと食べたい気持ちが出てくるのを待ちましょう。
今回使う小松菜は、江戸川区の小松菜です。葉先から根までピンと張っていて、みるからに美味しそう!
小松菜発祥の地である江戸川区は、全国有数の産地です。海に面していることから、潮風の影響でミネラルが豊富とのこと。市場に鮮度よく出荷できることもあり、袋詰めではなくテープで茎を留めて束ねるというこだわり。品質と鮮度の良さの証です。
実はほうれん草に比べてえぐみの少ない小松菜は、生で食べても美味しくいただけます。特に葉が柔らかい江戸川区の小松菜はサラダにもピッタリ!さまざまな料理に使いやすく、バリエーションも広がります。
今回ご紹介する小松菜の食育では、江戸川区の小松菜が大活躍!さっそく、小松菜を見て、触れて、味わって、楽しみ尽くしましょう!
・小松菜の葉はどんな感触?
新鮮な小松菜は葉がピカピカ、ツヤツヤ。実際に触って鮮度を体感してみよう!表とうらの手触りを比べてみるものおすすめ。うら側は水が通る筋がはっきりとしていて、表面とどんなふうに感触が違うかな?
・葉っぱの香りはどんな香り?
葉をちぎって、香りを嗅いでみよう!好きな香り?少し苦手な香り?どんな香りに似ている?いろんな表現で表してみよう!
・根っこをじっくり見てみよう!
江戸川区の小松菜には、こんなに太くてしっかりした根っこが!普段目にする小松菜ではなかなか見られない根っこ。ヒゲ根を触ってみたり、虫眼鏡で観察してみよう!
・切った断面を見てみよう!何に見えるかな?
根本を切って断面を見てみると、こんなにかわいい模様が!お花に見える?花火に見える?真ん中には何がある?想像力を膨らませて考えてみよう!
観察した小松菜を料理に変身させて食べてみよう!いつもよりなんだか美味しくて完食できちゃうかも?
【小松菜の塩麹スープ】
食べやすい大きさにちぎった小松菜をスープに。
コーンやきのこなどお好みの食材と組み合わせて煮立たせ、塩麹で味を整えれば簡単小松菜スープの出来上がり!
子どもたちにとっては小松菜をちぎるだけでも、調理に関われたという自信に繋がりますよ。
【小松菜の千切り中華風サラダ】
小松菜を生で食べるという体験にもおすすめ。葉に対して横に包丁を入れて細切りに。
のり、すりごま、ごま油、醤油、少しの酢で中華風に味付け。
茎の部分はお好みで斜めうす切りにして加えてもおいしくいただけます。
生小松菜のやわらかさ、風味が味わえるおすすめサラダです。
今回ご紹介したように小松菜を食べる前にも、五感を使ったたくさんの楽しみ方があります。
食べるだけではなく、野菜そのものに触れることは子どもたちの想像力や食べたい気持ちを膨らませてくれます。
切った根を水につけて育てる「リボベジ」もおすすめ!毎日の成長を観察するのも楽しいプチ家庭菜園です。収穫されたあとも野菜が生きていることを実感できるステキな体験になりますよ。好奇心をかき立ててくれる江戸川区の新鮮な小松菜を使って、大人も子どもも楽しい時間を過ごしてみてくださいね。
管理栄養士、お野菜レシピ考案家。
カット野菜工場など青果物流通業の会社員を経て、現在は野菜の切り方教室や記事執筆など野菜に関する分野を中心に活動している。野菜を美味しく食べることが生きがいで、素材の味を生かしたレシピ作りが得意。
Instagram【 #ぽんレシピ 】で170レシピ以上公開中。一児の母。