緒方湊の誌上セミナー

STUDY 30

春を告げる野菜の一つ「アスパラガス」

あのみずみずしい甘みと食感を感じると、春だなぁと感じる野菜です。
比較的新しい野菜のイメージを持たれがちですが、日本に入ってきたのは江戸時代。意外と歴史のある野菜なのです。焼いてもサラダでも何にしても美味しいですが、アスパラガスのぬか漬け、意外といけます。

問題

お店でアスパラガスを買う時、おすすめなのは
茎の太いもの? それとも細いもの?

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正解は、①茎は太いものがおすすめです。

<解説>

アスパラガスを選ぶ時、まず注目するのは茎です。
品種にもよりますが細めより太くふっくらした方が柔らかく水分が多いです。アスパラガスの繊維の数は、アスパラガスが太くても細くても変わりません。つまり、細いアスパラガスは繊維を感じやすいので“筋っぽい”と感じることが多いです。

【細いアスパラガス】
オイル漬け、お浸し、ポタージュなどに向いています。

【太いアスパラガス】
太さを活かした丸ごとグリルやサラダに向いています。

問題

茎には葉のような三角形の「ハカマ」がついています。
同じ長さのアスパラガスの場合、この「ハカマ」が
多いものと少ないもの、どちらがおすすめでしょう?

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正解は、②ハカマが少ないものです。

<解説>

このハカマは葉が退化したもので、ハカマとハカマの距離はアスパラガスの成長スピードを表しています。
  • ● ハカマとハカマの距離が長い → 気温が高かったので成長が早かった
  • ● ハカマとハカマの距離が短い → 気温が低かったので成長がゆっくり
ゆっくり成長していると、アスパラガスがかたくなってしまうことがありますので、ハカマの間隔が長いもの、つまりハカマの数が少ないものがおすすめです。

問題

ハカマの形に注目すると、正三角形のものと二等辺三角形のものがあります。
どちらの形がおすすめでしょう?

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正解は、①正三角形です。

<解説>

ハカマの形が正三角形のものは、鮮度が良く、良い生育条件で育ったアスパラガスです。アスパラガスを収穫してそのままにしておくと、正三角形だったハカマが二等辺三角形になってきます。やがて二等辺三角形になったハカマの裏から枝になるための芽が出て来ます。だからハカマは正三角形ということと、ハカマが茎にピタリとくっついているものがおすすめのアスパラガスになります。

キジが隠れることが出来る?!

アスパラガスを収穫しないでそのままにしておくと、アスパラガスから枝が伸び、細かい葉のようなもの(仮葉)をつけた背丈1.5メートルほどの低木になります。写真にあるように細かい葉のようなもの(仮葉)がもしゃもしゃと生い茂ります。「キジが隠れることができるほど生い茂る」ということからアスパラガスの和名は「オランダキジカクシ」と名付けられています。

その他、選ぶポイント!

POINT-1

穂先が締まっているもの

穂先がピンとしていないもの(締まっていないもの)は、水分が抜け乾燥気味で鮮度がよくないことがあります。

POINT-2

切り口がきれいで乾いていないもの

鮮度が落ちると切り口が茶色くなってきます。

問題

アスパラガスは栄養価が高い野菜です。
どの部分に多く栄養があるでしょう?

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正解は、①穂先です。

<解説>

アスパラガスの栄養は、穂先の部分に多く集まっています。
疲労回復に有効なアスパラギン酸、毛細血管を強くする作用があるルチン、ビタミンACE(エース)と呼ばれるビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどです。
また穂先には少し紫色の部分がありますが、ポリフェノールの一種であるアントシアニンがあります。

問題

アスパラガスを冷蔵庫で保存する場合、より最適なのは
冷蔵室? それとも野菜室?

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正解は、①冷蔵室です。

<解説>

アスパラガスの保存適温は3 ℃です。冷蔵室は0~5℃、野菜室は5~10℃の設定が一般的なので①の冷蔵室になります。アスパラガスは葉物などと同様、冷蔵庫で保存する際には乾燥しないように袋に入れるかラップで包み、立てた状態で保存します。コップや牛乳パックを切ったものなどに入れると保存しやすいです。

野菜は育っている状態で保存することがおすすめです。

アスパラガスを立てた状態にするのは、横にすると穂先が起き上がろうとしてエネルギーを消費してしまい、鮮度が落ちるからです。

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