緒方湊の誌上セミナー

STUDY 35

春のトマトは特に美味しい!

夏のイメージが強いトマトですが、春のトマトは寒い冬を乗り越え、ゆっくりと樹上で育つので、実も美味しさもぎゅっと詰まったトマトになります。またトマトは高温多湿に弱い野菜なので、日本の「春」が一番トマトには合う気候になります。
夏が旬というのは、ハウス栽培ではなく露地栽培が中心だったころ、春に種を撒き、夏に収穫していたため市場に出回るのが夏、つまり一番手に入るのが多い時期が夏だったので、トマト=夏のイメージが強いのです。

問題

トマトを保存する時の置き方でおすすめはどちらでしょう?

  • ① ヘタが上向き
  • ② ヘタが下向き
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正解は、②ヘタが下向きです。

<解説>

トマトを置く場合には、ヘタを下にします。トマトは先端(ヘタと反対側)から熟すので、先端が先に柔らかくなります。ヘタを上にして保存すると、トマト自身の重みで柔らかくなった先端部分がつぶれてしまうからです。

トマトについて

トマトには「リコピン」という栄養が含まれていることはよく知られています。リコピンは天然の赤い色素でトマトに多く含まれていますが、トマト以外にもスイカ、柿などにも含まれています。メラニンの生成を抑制することによる美肌効果や疲労回復効果もあります。

トマトは比較的暖かいところが原産地なので20℃くらいの室温なら常温保存も可能ですが、すぐに食べない場合は、ポリ袋に入れて、冷蔵庫で保存します。

POINT

ポリ袋に入れることが大事なポイントです。

トマトはリンゴ同様にエチレンガスを多く放出します。 エチレンガスは周りの野菜の熟成を早めてしまう働きがあります。 熟成が早まるということは、 腐敗も早く進むということになるので、トマトはポリ袋に入れて保存しましょう。

問題

トマトには日焼けをしにくくする働きがあります。
では、いつトマトを食べるとより効果的でしょうか?

  • ① 朝に食べる
  • ② 夜に食べる
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正解は、①朝に食べるとより効果的です。

<解説>

朝の時間帯は(胃が空っぽで)吸収率も高く、リコピンが吸収されやすいのでトマトを朝に食べるのがおすすめです。

問題

リコピンはトマトのどの部分に多く含まれているでしょうか?

  • ① ゼリーの部分
  • ② 皮に近い部分
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正解は、②皮に近い部分です。

<解説>

リコピンは皮に近い部分に多く含まれているので、料理で使う時もできるだけ皮剥きをしないで、そのまま皮を使った方がリコピンをたくさん摂取することができます。ちなみにゼリーのまわりにはうま味成分のグルタミン酸や、コレステロール値を下げる働きが期待されるペクチンが多く含まれています。
トマトはジュースやペースト状にすると、細胞壁が壊れリコピンをより効果的に吸収できます。また、加熱しても細胞壁が壊れやすくなるので、吸収率は高まります。
リコピンは脂溶性なので、油と一緒に調理したり、牛乳と一緒に摂るとさらに吸収率が高くなります。

問題

リコピンが多く含まれているのは、どちらでしょう?

  • ① 大玉トマト
  • ② ミニトマト
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正解は、②ミニトマトです。

<解説>

大玉トマトは大きいので、ミニトマトに比べリコピンが多く含まれているように思われがちですが、リコピンはミニトマトの方が多く含まれています。
大玉トマトはピンク系トマト、ミニトマトは赤系トマトに分類されるので、赤色の色素であるリコピンはミニトマトの方が多いのです。

問題

都内ではトマトを栽培するのに、土ではなく、あるものに苗を植えて
育てている農家さんも増えました。それは何でしょう?

  • ① ココヤシ
  • ② 水槽
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正解は、①ココヤシです。

<解説>

都内の農家さんでは、土の代わりにココヤシの繊維(ヤシガラ)を使った養液栽培を行っている方が増えてきています。その中でも「東京エコポニック(東京式養液栽培システム)」は環境負荷の少ない栽培方法ということで注目されています。

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